□月 ●日  No1603 上級者向けコース


いつものように紅魔館に配達していると、美鈴女史が泥のように眠っている。
下手に起こすととても機嫌が悪いときがあり始末が悪い。
根が真面目なのですぐに元に戻るとはいえ、脚線美から繰り出す蹴りでも食らえば
良くて骨折、悪くて内臓破裂コースである。


さて、彼女はサボって寝ているのかというとあながちそうでもないことは知られている。
一つ目の理由は寒さのためだ。寒すぎて眠れないのでどうしても昼間に寝るしかない。
そもそも、妖怪は基本夜行性であり、美鈴女史も例外ではない。
紅魔館も基本的に警備が必要なのは強力な妖怪が出現する夜に集中するので
昼間は可能な限り寝るしかない。


しかし紅霧異変以降昼に行動する博麗の巫女たちが入ってきているので
仕方なしに彼女は門に立ってないといけない。結果的にどこかで寝ないと駄目なのだという。
人員を増やせと思うのだが、増やしたら増やしたで美鈴女史並の誰相手でも安定した
戦闘力を発揮できる人材はとても限られているといえる。
よってシエスタについては我々も大目に見るようにと言われているのが実情だったりする。


さて、この時期になるとさすがに昼寝るのも寒いらしく、所謂寝袋みたいなもので
寝ているのだが、これが面白い作りで、エマージェンシーモードになると
寝袋から手足を伸ばすことが出来るらしい。
見た相手はあまりのシュールな姿に笑ってしまって回避もおろそかになるという。
確か岡崎の手配だったはずだ。


結局彼女を起こすために目覚まし時計をセットしてその場を離れる戦術で行くことに。
案の状、攻撃しながらのダウン回復を図ってきてほっとする。
高さ的に丁度首の骨を折るコースだ。
喰らったら中有の道ゆきであろう。


というわけで基本無害なはずの美鈴女史もこの有様だと言うことを説明させて貰った。
紅魔館はやはり上級者向けスポットである。