□月 ●日  No1604 幻想測定技術


人形遣いのアリスの家でちょっとしたものの寸法を測ろうとしたらたまたま巻き尺が無いことに
気づく。 単純に紐を用いれば簡単なので紐を用意しようとしたら、アリスが弾幕を放って
コンマ2桁レベルの精度で長さを測定してきた。
一応大事を取って紐の長さも測ったのだが、弾幕による計測の方がとても正確だった。


技術の人間にその辺の話を聞いてみた。
一見すると幻想郷の考え方はアバウトに見えるがこと、寸法などについては早くから
正確な数字を出せる体制が整っていたという。
そもそも長さの単位は為政者の身体を単位にすることが多かったし、税を沢山取るために
その原器はいつもゆがめられていた。


ところが幻想郷ではそれが許されない。これには二つの理由があった。
一つは、長さを決めた為政者が妖怪やカミの類のため改めるチャンスがないこと。
そしてこちらの理由が大切だが、弾幕を正確に放つためにどうしても寸法周りの
規格統一が必要だったことに起因する。


寸法の規格統一を行うことは弾幕誤爆や自爆を防ぐために最低限必要なものであり
そのパラメーターに誤差が生じれば大変な事になる。
その寸法体系も基本的にとある魔術で発振される特定の電磁波を利用するのだという。


そのため幻想郷においてメジャーなどは必要ない。
極度に弱められたレーザー型寸法計測スペカでそれを代用する。
またレーザー型スペカは同時に水平を取るのにも有効である。


実はつい最近まで計測技術においては幻想郷が先行していたらしい。
不思議な話だが、幻想郷だからと言って技術面で遅れているとは限らないのである。