□月 ●日  No1497 廃品回収in無縁塚


無縁塚。普通の人ならまず近寄らない危険地帯である。
生き霊死霊はわらわら出てくるが、顕界の人間が迷い込むことも多く遺品なども結構落ちている。
この遺品が大問題である。放置すると無縁塚が本当にゴミだらけになるのだ。


てなわけで霊能局の職員たちも動員しての大掃除大会が催された。
霊能局関係者が何故ここにいるのか。実は同時に行方不明者の捜索も同時に行われるからである。
たまに落ちている身分証明書などからここに迷い込んで亡くなった人を調べることが可能だ。


それにしても結構色々なものが落ちている。
遠くでは生存者がどうとかって話になって保護とか色々話になっている。
幽霊達が救出者が出るたび皆で拍手しているところを見ると、どうも彼らが生きている者を
連れて行くのはあまり本意ではないことが分かる。


実際聞いてみると飢えと渇きで苦しんでいるのが可哀想でとか話し相手がどうとかと
至極まっとうな答えが返ってくる。
無縁塚の幽霊だからって悪霊だと思っていたら大間違いだ。


大物も色々落ちている。 困るのが乗用車とかで、こればかりはレッカー移動したり
妖怪連中に運んで貰ったりするのだが、軽自動車ならいざしらず大型車だと手に負えない。
トラックとかバスになるとかなり悲惨だが、重機が放置されているといろいろ絶句するしかない。
幽霊達からこれなんですかと言われて答えに窮した。


ゴミは結局調査の後にレアメタル関係のリサイクルや隙間産廃ゆきとか色々なパターンで
処分される。 最近は埋め立てをすると地霊達から苦情が来るのでとても面倒なことになっている。
暇つぶしのためとはいえ捜索活動に手を貸してくれた幽霊達には礼を言わないとならないだろう。


打ち上げも無縁塚で行ったが結構和気藹々として大成功だった。
まあ、保険として嫉妬妖怪を連れて行ったのは正解だったか。