□月 ●日  No1560 貴重な金づる


忘年会の打ち合わせを兼ねて会社で飲み会。
もはやこれが忘年会なのではと思うかも知れないがあと二回は飲み会があるから
今日は次に行く場所の選定作業みたいなものだ。
一緒に飲みに来た閻魔様がいつになく愚痴っている。


地底には罪人の御霊が漂っている。
重金属を依り代にすることでその身体には常に負担が付きまとう。
重金属には彼らにとって負担になるものが選ばれる。
金はまだマシな部類で、多くは砒素や水銀など身体に入れば確実に害を与えるものが
選ばれる。 
彼らが生きたいと意志を逆手に取り、より彼らの負担になる依り代を与えること。
それが地獄ならではのルールであるという。


本来の依り代と言っても実に様々だ。たとえば、例の神社にいるおねえさんとかを例に取ると
塩がベースの依り代になっているらしい。 これは有る程度高度な能力を持つ
カミだとそうなるという。 
まあ、芋がカミになってるなんて噂の連中も居るからあまり深く追求しない方が
いいかもしれない。


本来のルールで言えばそうした依り代は一点に集められ、幻想の世界の毒気を
一点に集中、集めた物質は再利用され、依り代を失った御霊はまた新しい依り代を探すべく
辺りをさまよいまた新しい物質を探し出す。 
まるでレアメタル採掘現場みたいなもので、要は強制労働なのだ。


そんなものだから金づるもとい、大事な霊魂を潰されてしまっては大迷惑である。
しかもこいつらは既に依り代を纏っているので他の生物に取り憑くことがあまりない。
場合によっては例外があるらしいが。


てなわけで、霊魂を潰している現場を目撃したらすぐに死神小野塚小町に連絡しろという
話になった。既に彼女は船渡しの仕事の任を解かれて作戦行動中らしい。
しばらくは泳がせるつもりだろうが、こちらは大体誰がやったのか見当がついているので
ちょっとお付き合いしてみたい所存でもある