□月 ●日  No1561 朝倉理香子神隠しの謎に迫る


私があの隙間女からお声が掛かったのは久しぶりのことだわ。
彼女に連れられてやってきたのは幻想郷のとある場所だったけど
まさかそこに外の世界の学校があるとは思いもよらなかったわ。


問題はどうしてこれがここにあるのかと言うこと。
学校に入るとそこには児童と先生がいたわ。
もちろん様子見のためだから姿を消してというわけなんだけど。
見ると直ぐに違和感に気づいた。
現代の建物じゃないのよね。


魔法が切れかかったので仕方なしに、女子トイレで隠れることにしたわ。
リチャージは数分か掛かるので、しばらく中で思案したけど。
ドアは何処も開いているのにどんどん叩く人がいるのよ。
思わず答えたら、トイレの花子さんだと言われたわ。
失礼しちゃう。私が知る花子さんはもうちょっと年齢的にも。
いや、これを言ったら悲しくなるのでやめた。


隙間女が屋上でなにかをやった形跡があると言うから行ってみたら
クソガキが合わせ鏡を使った装置を作っていた。
隙間女はこの解析のために私を呼び出したみたい。
原因は恐らくこれなんだけど、座標を解析するのに手間取って
インビジリティの魔術が切れてしまった。


クソガキは腰を抜かして驚いていた。
私の白衣を見て先生ごめんなさいと謝ったから、教室に戻りなさいとだけ
言っておいた。 合わせ鏡の術はどこかの本の受け売りだろうけど
きちんとロジックを追ってあったから解析はどうにかなったわ。
それにしてもこのクソガキ。 どこかで見たような顔だったけど。
これほどの逸材はあとで職にあぶれたら八雲商事に紹介しても良いと思ったわ。


座標と、時間軸の解析が終わって、とりあえず隙間女に報告。
これでこの学校も元の世界に戻るって事になったけど。
このまま一緒に戻ったらそれはそれで面白いかな。
結局やめたけどね。


あとで、うちの会社に戻ってコーヒーを飲んでいたら。
そいつの姿を見て、あっと思ったわ。
あとで合わせ鏡のことを聞いてみようと思うけど。
忙しそうだからやめておいたわ。