□月 ●日  No1559 病気がちの薬屋


薬屋が倒れたというので仕方なしにうちのスタッフを寄こす。
薬屋が掛かったのは何とインフルエンザ。
普通のインフルエンザだと言うこととでタミフルを与えればいいのかというと
すでに時間が経過しすぎており期待できないという結論に至る。
永遠亭のみんなにはインフルエンザワクチンの接種が行われることになり手配が行われた。


列車の中に、所謂冷蔵車が存在することは周知の事実である。
中にはワクチンや血清類などが積まれている。
幻想入りしたものが入る筈の幻想郷だが、こうした薬品類については常に最新の医薬品が入るように
処理されているのである。


鳥インフルの時は周辺の批判を浴びながら必死にかき集めた。
彼らは幻想郷の存在を知らないのだからワクチンを必要以上に集めているように
見えたのだろう。 致し方ないことだ。
そこで最近ではワクチン製造のライセンスを取得して幻想郷で生産できる体制も
つくりつつある。 幻想郷内でのみ利用するという条件付きだが出来るだけでも有り難い。


幻想郷は閉鎖された空間としてとても重要視されていることがある。
それは衛生管理である。
幻想郷には海がないため、所謂自然循環機能に大きな欠陥を持っている状況である。
もちろん結界によるフィルタリングは初期博麗大結界において巧みに調整されてきた。
だが、それには限界がある。


ところが月面の医療技術というのも意外と限界が多いことが分かってきた。
あまりに寿命を延ばすためのテクノロジばかりが流行り、細菌類の撲滅を繰り返した結果
一部治療方法が失われているという状態だった。
薬屋が病気になるのは実はそのためだというのだから困った話である。


最初は月面の技術を用いればワクチンの大量生産は容易だと思っていたが
結局顕界からライセンスを取ってお金を払って作ることになってしまった。
あとは妖怪の割と安めの労働力が頼りだ。


というわけで、薬屋の治療とセットで永遠亭スタッフのワクチン接種があったのだが
今後は薬屋を訪れた人への二次感染をどうするかが悩みどころである。困った者だ。