博麗の巫女がスペルカードを緊急回避のために利用していたのを覚えておりますでしょうか?
極めてリスクの大きなやり方だった為、そのやり方が禁止され、「霊撃」に切り替わったことは
記憶に新しいことです。
そもそも何故、スペルカードシステムが緊急回避として用いられたのでしょうか?
スペルカードコアシステム開発者の朝倉理香子さんが解説します。
◇
スペルカードシステムは最初から緊急回避に為に設計されたものではありません。
あくまで全方位攻撃システムとして開発されました。
そのスペルカードシステムが緊急回避に利用できると分かったのは博麗の巫女が
発見した物です。
初めての異変に対する実戦利用の際に緊急回避のためにとっさに利用したスペルカードが
緊急回避に利用できることを発見したのです。
自分に負担が掛かる「霊撃」と違いスペルカードはノーリスクで利用することが可能です。
「霊撃」は使用時に自己の出力低下を招きますが、スペルカードシステムの副産物としての
シールドはその心配がありませんでした。
元々このシールドはスペルカードによる弾幕発現において、正しい角度 正しい発射数を
確保するために備えられた物です。 正しい発現が行われないと誤爆や自爆の可能性があります。
論理砲台が構築されるまでの間、砲台を保護する必要があります。
あくまでシールドはスペルカードが正常発射するのに必要だと言うだけに過ぎません。
しかし、緊急回避としての利用方法はこのコンセプトから大きく外れる物です。
もちろん、スペルカードシステムを緊急回避として利用している妖怪は数多くおり
事実博麗の巫女が発射する弾幕にも耐えていますが、実際問題としてわざわざ危険な使い方を
するのは技術部にとっては耐え難い物です。
わざわざ爆発物が掛けられた楯で弾幕から身を守っているような物ですから。
かくして、最終的には八雲紫からの警告の形でスペルカードを緊急回避として
利用しないことで最終的な調整は成されました。
もちろん「霊撃」も改良を重ねられ、スペルカードに近いシステムを博麗の巫女や
霧雨魔理沙に実装することで問題を解決しています。
実はスペルカードも数年後にはこれら問題の大半はクリアーになったといいます。
今では殴り合いにおいても安定して利用できるようになっておりますが
事故に至らない為にもリスクの回避が重要なのです。