□月 ●日  No1696 前置き長いです


まあ、当たり前と言えば当たり前なのだが幻想郷であっても外の世界すなわち顕界であっても
基本的に悲しいことはあるし、生活する上での落伍者も出るし、一方で富める者も出る。
そうしないと、社会は成り立っていかない。残念なことだがそうしないと幻想郷といえど破綻する。


八雲商事は幻想郷に物資を運ぶ会社であるが、それはあくまでビジネスでありボランティアではない。
幻想郷の住民は大変な暮らしを強いられている弱者ではない。そこを勘違いすると大変なことになる。
外の世界にいた妖怪たちにこの辺の説明をするのは割と大変だ。
外の世界では当たり前なことが幻想郷ではそうではないことを目の当たりにしたとき、
妖怪でさえでも何とかならないのかと尋ねてくる。 


もちろん最初の頃は食い詰めてここに来ている妖怪も多いからそこまで気は回っていないが
やがて幻想郷に暮らしているとその辺のギャップに苦しみ出す。
故に顕界出身で間もない妖怪はわりと人里から離れて生活し出す傾向がある。
まあ、命蓮寺の連中みたいに積極的に出張る者もいるが、これは最初からそういうものだと
心構えが出来ているからとも言える。


理解するべきは我々は物資を提供するときは単に市場に流すということである。
それ以上もそれ以下もない。直接配送するのはあくまで高名な妖怪だけ。
それは単に世間から離れた妖怪たちが人里にむやみに降りてくるのを防ぐための物に過ぎない。


ってなわけで山彦妖怪は、新型ゲーム機をねだったりしないように。
お金ありますか?と尋ねてあるわけないでしょと開き直っては困るんだよ。
修行しろよ修行。 いや修行したら騒音公害が。
なんでもいいからおとなしくしろよ。


寅さんにチクるぞ。おい。