服がださい。 北白河が開口一番そんなことを口走ってこの日は始まった。
とにかくうちの連中は服がださいのである。おそらく素材的にはかなりのものでも運用が
酷いというか女をかなりのレベルで捨てているやつが多すぎる。
岡崎に至っては白髪がはいっても染めないんじゃないかというレベルだ。
服装がきちんとしているのは北白河や、明羅女史、里香女史とか意外かもしれないが
冴月である。 そして今北白河が問題としているのは、メリーとレンコの二人である。
花咲く乙女たるふたりがこのままの姿では確実に彼氏ができないというのが
北白河の弁だが、周囲はおまえが言うなと思っている。
メリーはというと夏だろうが全身を覆うような服装をしており幻想郷だろうがなんだろうが
肌を見せようとしない。もっとも妖怪の基準でいくとそれは概ね正しいのだからいろいろ始末が悪い。
レンコはレンコで少々地味な色合いを異常に好む傾向がある。どう考えても華がないが
よくよく考えるとファッションセンスの観点で二人がつるんでいるのはある意味当然といえるのだ。
その辺が北白河にはどうも気に入らないのだろう。
かくして、皆でショッピングセンターに行って服を買いに行こうということになった。
目指すはブティック街ということで、いろいろな服をお仕着せ状態で着させることに。
素材がいいだけにその辺の試みは難なく終了。
しかし、本人が服装を着たがらない。
ええ、もちろん着させましたよ。力尽くで。
まず朝倉に頼んで買った服をすべてデジタイズ化。普段はコスプレ魔術のための処理だが
今回のために一肌脱いでもらった。
それを二人にかけて買った服を無理矢理着せた。
北白河に選んでもらった服はどれもすばらしい。ノースリーブがまぶしいメリーと
色がついて華やかになったレンコ それぞれ印象が違いすぎる。
すると彼女の本音が出た。日焼けがしてしまうというのである。
まるで吸血鬼のような台詞だ。
しかし朝倉、その辺の事情もすでに考慮済みらしい。紫外線シールドを服装に忍ばせていた。
朝倉GJ!
この服装で会社に出ると思ったら、結局元に戻ったがまあ、これからということで。