□月 ●日  No1789 フラグがたった


エレンのマジックショップ。 普段はファンシーな店のデザインをしているのだが
スイッチが入ると途端にアンダーグラウンドなたたずまいの店に早変わりする
困った店舗である。 その変わり身たるやいったいどこにそんな物を格納していたんだ
というレベルである。


エレンのマジックショップでは多種多様なマジックアイテムが販売されている。
金さえ積めばハイテク兵器も手に入る。もちろん魔術ハイブリッド構造である。
たとえば、ゾンビやキョンシーの類を纏めて始末する浄化地雷や魔術の構成要素に
ジャマーを掛けて魔術そのもの成立を阻止する手榴弾などもある。


だがマジックアイテムというのは自分が思っている以上に奥が深い。
乗り物や建造物がマジックアイテムなんてものもある。
前置きが長くなったが、エレン女史からある乗用車のモニターになってくれと言われて
税金も会社持ちという好条件に釣られて快諾したわけなのだが(燃料費は自分持ち)
一見すると普通の車に見えるがなにかおかしな端末類が付いていて不安になる。
そして何より嫌な予感しかしないのはこの車幻想郷専用なのだ。


さて、この乗用車で何をするのか?
商品を納品して金を出さない奴から金を取り立ててほしいという話である。
非戦闘員にこんなことをさせるなと言いたいが、そこはエレン女史が用意した乗用車だ。
嫌な予感しかしない。


目的地に到着して、応対した人に事情を話す。
するとエレン女史から連絡。 その人を車に詰め込めと言う。
それって拉致だし第一私の腕力でできるのかと思うも、やれという命令に逆らえず
仕方なしに乗用車に乗せて移動をすると、乗せた人が突然ぐったりした。


つまりはこうだ。この人がマジックアイテムなのだ。
そしてクライアントは誰なのか、後ろから猛然通ってくる奴がそうなんだろう。
家である。家型をした妖怪だ。久々に見た。
そしてこの車は何のためにあるのかも即座に理解できた。
スイッチを押したら何処から沸いたのか、マシンガンやらいろいろな物が飛び出して
建物型の妖怪に発射されたのだった。酷い話だ。


命からがらショップまで逃げると、家から手と足が伸びた妖怪はエレン女史に
土下座していたのだった。恐ろしくシュールだが幻想郷だけにこれで驚いては
いけないのである。うん。