地底はエネルギーが満ちあふれているとはよく言ったもので、魔界といい、地底といい
節電なんて何処吹く風と言いたいくらい無尽蔵にエネルギーが手に入る。
基本的に電力はエネルギーを溜めておくことが困難だ。電池を使えば良いのだろうが
充電回数には限りがあるし、仮に特定の電源が飛んでも別のアレイでそれをカバーできるから
停電なんてまず起こらない。
地底からエネルギーを取り出すのは要は噴火対策も兼ねている。自分の住処にマグマでも貯まった
日には大損害なので、その前にエネルギーを取り出してしまってエネルギー化した方がいいという
考え方なのだが毎度供給過剰である。
何でこんな話をしたのか? 自称現人神一味が作った核融合炉とか言う奴の始末に困っているからだ。
エネルギーが無駄すぎて結局冷却がてら間欠泉を放出することになったが、あれは地下水資源を
浪費するだけで、関係者としては大迷惑な代物だ。
もちろん放射能を放出するわけでもないし、反応を止めれば比較的早く冷却できるから
その点制御しやすいとはいえ、コストが安い地熱エネルギーと比較するとコストが高くて仕方ない。
自称現人神はそれを地上に持って行って一儲けを考えて居るようだが 送電網の問題がある。
送電インフラがなければ、どんなエネルギーも無駄となる。 熱を放出する迷惑な存在に
成り下がるのだ。 核融合はやや不安定な地熱よりも安定はしているがいかんせんコスト高だったのである。
というわけで、現在施設は赤字経営中である。 このまま何かの実験施設に転用したいという
案もあるが、魔界神様に解体リサイクルが良い案のような気がする。
本当に困った話だ。
顕界に売れば儲かりそうだが、核融合炉の場合、炉心はエネルギーフィールドが必要となるので
運転時に大量の電力を使うのである。地底で核融合炉が出来たのは最初のエネルギーフィールド構成の
電力が容易に手に入るからだった。 駄目だこりゃ。