□月 ●日  No1925 何故俺を見る


妖怪同志の関係性というのはかなり面倒なもので我々八方美人でがんばらないといけない者と
しては色々悩みどころではございまして。


ゾンビ製造元が博麗神社にいるのを綿月依姫が見て色々な意味で驚いていた。
実際問題としてゾンビ製造元は月の都の人間からすれば穢れのオンパレードである。
しかし綿月依姫の彼女に対する評価があまりに斜め上なのでここで紹介するとしよう。


ゾンビ製造元が宮古芳香に利用していた術はいわば「蓬莱の薬」のデッドコピーである。
一部分のプロセスについては共通であり、故に穢れのバーゲンセールのような謂われ方を
するのは仕方ない部分である。
綿月依姫がゾンビ製造元を評価しているのは、実はそんなところではない。


一応文献などを漁っているがネットのない時代にそれは期待できるレベルではない。
彼女はほぼ独力で邪仙になったのである。
もし師匠がつけばかなりのレベルになっただろうというのである。
では、薬屋でもつけるかと話をしたら、暫く考えた後それはやめておくと答えられた。


ゾンビ製造元の術はほぼ我流である。逆アセンブルしていた朝倉が構造化されていない
ひどいスパゲッティソースだと言って頭を抱えていた。
エミュレーションの目処も立っていないらしい。エミュレートできた暁には
宮古芳香のクローンを作ってみようと画策しているが、あれには逝きのいい死体が必要だ。
そう逝きの良い死体が。


ともあれ、ゾンビ製造元がハイスキルのネクロマンサーであることは間違いないことである。
一つ言えることは逝きのいい死体にはなりたくないなあと思うことである。