□月 ●日  No2012 未来へ続く雑感


幻想の世界と言ってもその中にいる人にとっては特段なにか特別な世界ではない。
残念なことに幻想郷と言ってもこの場所は現実であり、物理法則に従って動いているし
見えない何かが働いていると言ってもそれはたいてい説明できる代物である。


空を飛ぶというのも一応不可能ではないらしい。
不可能ではないというのはせいぜい飛距離を伸ばすとかそういったレベルのことである。
それくらいで力をとどめないと逝けないのは可能不可能と言うより寧ろ、墜落時の
身の安全の確保のためである。
墜落しても軽傷で済むようになって一人前となるからだ。


かつては、人間でも空を飛ぶ実験はなされていたようだが、顕界には労災という概念がある。
空を飛んだとしても結果的に墜落して足でも骨折しようものなら色々と問題となるのだ。


不思議で仕方ないのは、ある物が危険である根拠に科学ではまだ分からない別の危険が潜んでいる
という理屈である。科学には限界があるとかその辺のプロパガンダをもろに受けてしまった人が
よく起こす症状である。一方で科学者を「偉い人」って言い換えて思考停止させようという人もいる。


朝倉がこの点において、幻想の世界は基本的に科学で説明できると言っていた。
そうでなければスペルカードという均質な能力発現なんて出来るわけがないという。
幻想郷も実のところきちんとした法則で動いている。それは科学的であり、能力再現も
時間と手間さえ掛ければ一応可能である理屈でもある。


将来的には能力の一部でも社員に継承させたいと考えているようだが
ちょっとまった。あの服を着ろというのか。