□月 ●日  No2164 10th Anniversary


紅魔館で行われるセレモニー出席のため、ちょっとばかり出張。 所謂記念式典というやつでありまして、一応招待されている次第であります。
大体の場合こういった件については裏方に徹することが多いのですが、まさか普通に招待されるとは思いませんでした。
喜んでいいのか、恐ろしいやら複雑な心境です。


ともあれ紅魔館は一応ながら変わりました。まずメイド長の態度が比較的軟化しました。
とりあえず死亡率が目に見えて減ったんですね。はっきり言いまして、死亡率はデスマシン妹君のほうが高いと思うじゃないですか。
ぶっちゃけ紅魔館の死因の大半はメイド長です。 統計とって背筋凍りましたから。
割合は全く変わっていません。頻度が減っただけですが、それでも比較的ましってものです。


凄いのはヴァンパイアの主人の安定感ですね。プライベートでは子供らしい一面を出しているという話ですが
こちらが見る限りはそんな感じはしません。たぶん妖怪と我々では接し方を変えているものと推察されます。


紅魔館は実のところ数回の改装を行っています。ロケット発射に際する改装と博麗の巫女が紅魔館で暴れるのに対処するための
補強工事の類です。顕界の技術も投入して、メイド長も今やガラスフィルム張りの名人です。
魔術強化したほうがいいのではないかと思いますが、実のところ魔術強化は時間制限があり、しかも資源をかなり使用するので
最終的には物理的な補強が一番有効だったりします。もちろん博麗の巫女などが襲来した時などにある程度融通を効かせて
魔術強化を行うという措置は行われています。 これもコストのためです。


門番についてはほとんど変わっていないように思えます。基本的に眠っているように見えますが、本当に脅威に出くわしたりすると
狸寝入りしていることがわかってきました。 被害を最小限に抑える仕組みだそうです。
何のための門番なのかわからないと思うかもしれませんが、これによって庭園が守られる可能性が高まるそうで
意外と馬鹿になってません。 むしろ罠だらけの紅魔館内部に招きよせたほうがいろいろと有利らしいです。
美鈴女史ああみえてものすごい合理主義者です。おそらくメイド長以上に。


魔術師ですが、やはり色々とコストがかかっており、霧雨のご息女が持って行った本の保険料による差益が結構な収入を占める
状況になっています。最近では蔵書の魔術圧縮技術が、あの大師様からもたらされており、魔術スキャナが全力稼働しているとのことです。
こうなると本は盗まれてもあまり痛くないと言えるし、本の中に封じられているような奴が実体化する余地がなくなっていい感じです。
たまにそういう妖怪が暴れる場合がありますが、冴月が火炎放射器とか火器付きで対処すると途端に逃げるようになりました。
もちろん逃がす気はないそうです。


さて、今回のセレモニー一応、我々関係者のためだけに開催されているとのことですが、なぜかゾンビ製造元とか博麗の巫女が
食い物を食って回る事態になっており、一応我々としては視界から消すように心がけています。