□月 ●日  No2180 大脱走


八雲商事が絡む仕事の中で一番やばい仕事の一つが紛争地域からの妖怪たちの脱出である。
隙間で一発で送れるじゃないかと思う人は素人だ。
実際には土着の妖怪などもいるので下手に移動したら存在そのものが消滅するなんてケースもある。
もっとも紛争地域で略奪行為が行われたらそれはそれでアウトだったりするので、かなり慎重に行う必要があるだろう。


実のところ彼女たちの移送にはあの三馬鹿が利用する尸解仙のテクノロジが利用されている。
一度死んだように見せかけて復活させるというのが妖怪たちの搬送にはとても有効だ。
これらテクノロジは妖怪たちを封じるのにも利用できる。もっとも封じたままにしてくれというケースも結構あって
荒廃する故郷を見るくらいならそのまま眠らせてくれと懇願するケースも無きにしも非ず。


紛争地域から脱出させる方法は大体、何かに妖怪たちを宿して外部に持ち出すというものである。
破壊されたら大変なので、こっちは必死だ。
うちの工作員だったり、現地の妖怪や傭兵を利用してなんとかかんとか搬送して
幻想郷に送りつけるのである。


幻想郷に直接送るのはどうなのかという話もあるかもしれないが
それは外部の危険分子を招きよせることになる点で大きなリスクだ。
紅魔館でさえ周辺の封鎖を行ってから移動させているのである。
幻想入りは実にシステマチックに行われるのである。


そんなわけで、今回もちいさな妖怪が幻想郷にはいったが
いきなり弾幕ごっこに巻き込まれないことを祈りたい。