□月 ●日  No2183 才能


八雲商事メンツは基本的に幻想郷の妖怪たちと飲み会をしない決まりとなっている。
これをやってしまうと連中と契約状態になることが少なくなく、一種の「ギアス」と呼ばれる状態に陥る可能性がある。
過去、八雲商事の連中が特定妖怪に便宜を図るケースがあったため、こうした事態を防ぐべく飲み会が禁止されているのである。


それでもたまに妖怪たちに邪な意図が無い状態で飲み会に誘う場合があるのだが、基本的にそれで飲んでいいのは浅間くらいなものだ。
彼女の属性は博麗の巫女に酷似しており、呑んでも別になにかしらの影響を受けることが少ない。
実は同じように影響を受ける可能性が少ない人材がいる。一人は東村で、彼は単に呑まれていないともいう。
もう一人、呑まれないのがメリーである。何も知らないというより天然ボケの彼女にどこかの馬鹿がお酒を呑ませて何かをしかけようとしたようなのだ。
もちろん失敗に終わったようである。


しかし本当に特筆すべきは実はレンコのほうかもしれない。
そもそも彼女がトリフネの一件で普通の怪我だけで済んでいることを本来ならおかしいと思わないといけなかった。
通常この手の行動は通常終了する分には問題ないが、無理やり引き戻す等すると精神的に色々な影響が発生してもおかしくない。
しかし彼女はそのような事態に遭遇したにもかかわらず、一切の後遺症を残さず生還したのである。
実はこのことこそが彼女が八雲商事入りをきめた直接の理由でもある。
彼女は、体質的かどうかはわからないが、逆流が起こりにくいまたは殆ど起こらない人材だというわけである。


ちなみに八雲商事に入ってそのルールを知った朝倉は違う意味で発狂したことは間違いない。
いやお前は逆流されるんじゃなくて逆流するほうだし、お前は加害者になりうるからお前から幻想郷住民を守るための
決まりなんだよと心の中で叫ぶことにしたい。