□月 ●日  No2184 屯田兵


幻想郷に迷い込むのは善人ばかりとは限らず例えばとても凶悪な殺人犯とかも入ってくる場合があります。
しかし幻想郷ではあまり問題になりません。ここでは法の裁きを待たずしてあの世行きってのがアリだからであります。
と、物騒な書き出しで始まっていますが、実際には幻想郷で捕縛して顕界に送り返すなんてことが結構あります。
毎度毎度ではないとはいえ、幻想郷の動物が人間を襲うと妖怪化するケースが結構あって、大体そういうやつに限って
動物たちに危害を与えますから中々面倒だったりするのですね。


この手の犯罪者が幻想郷に入ったという報告がありますと、こちらとしても厳戒態勢で臨むしかありません。
妖怪に遭遇したらいざ知らず、何も知らないような人間が凶悪犯と鉢合わせると、凶悪犯も無事ではすみません。あれ?


要するにですね、幻想郷住民が無害だと思っていたら大間違いだということです。いわゆる一種の銃社会みたいなものです。
そもそも幻想郷が中立を保っていられるのはここが一種の要塞みたいな代物だからというのもあります。
制空権さえ取られなければそう簡単に落ちません。
よく考えてみましょう。弱そうな少女を襲おうと思った一瞬後には腕がなかった。 さあどうするという感じです。
答えは止血するであります。 そこまで頭が回る前に貧血で彼の世へGOGOGOGO になりますが、
あの世で我々は待機しておりますので安心ですね。


顕界では人を7人殺したとかいう凶悪犯がいましたが、その人と遭遇したのは中有の道でした。
そのまま地獄へ送ったほうがいいんじゃね?と思いましたが、顕界に引き渡すことになったなんてこともあります。
あっちにはあっちの事情があるのでしょう。


さすがに私も直接対峙は躊躇われるので、白兵戦が得意な連中数人で捕まえました。 かなりの暴行を加えていたようですが
あっちの鬼(サラリーマン)曰く、彼らはとっくに死んだ後なので基本的人権がないとのことです。まあ、基本的人権を気にしていたら地獄なんて
やってられないわけですけど。どちらにせよ顕界に送還されれば傷は癒えていますから、彼の中では夢の中の出来事ってことになるでしょう。


そんなわけで、幻想郷に人間殺したから云々とかいう凶悪犯がきても割と通常営業だったりします。
難儀な世界です。