□月 ●日  No2257 ぼくらのアイドルヤマメちゃん       あーかゆっ


幻想郷で一番気を付けるべきは伝染病の蔓延である。幻想郷は隔離地域故に伝染病が蔓延したら
成す術がない。隔離地域である幻想郷で仮に伝染病が発生すると、耕地の破たんをはじめとして
多くの問題が生じる。幻想郷は想像以上に余裕がない作りなのだ。


昔はそうした対応不能な伝染病に遭遇した場合は妖怪たちが皆殺しというケースが多々あった。
妖怪たちが活動するのは、彼らは直接的に感染しないからであり本人たちもあまり気分が良い
ものではない。しかし、これをやらなければもっと死人が出るとあれば妖怪たちも
泣く泣く行動に映るしかない。


このような行動を人間たちは区別なしに人間を食べると言っていた。
最近はある程度の抗生物質の利用が解禁されて、最悪の事態を防ぐということもある。
可愛そうなのが黒谷ヤマメ女史であり、医学知識故に病気をコントロールすると思われているが
実際のところ、彼女の専門は建築系らしく、防疫はほぼ副業みたいなものだったが
病人をあらかじめ殺すという荒療治が実は病気が蔓延するのを防ぐのには有効であると
知っていたというのが正しいようだ。彼女たち土蜘蛛は概ね勉強家であり、たぶん知的レベルは
幻想郷トップクラスだと思われる。八雲商事との接触でも普通の会話ができるあたりファンが
とても多い。


さて、彼女に会うと病気になるという話があるのだが、これについては実のところいくつかの理由がある。
一つは研究中のアンプルの類に感染するケース。もうひとつは八雲商事社員を経由するケースがあるそうで
実のところ我々が新しい病気をもってきて、複数の風穴にある我々の基地に侵入した人が
病気に感染しているというおまぬけな事例なのである。
つまり、彼らの治療費を払っているのは我々なのだ。


ちなみに彼女のファンは彼女の安全性レーティングを低いと表現した阿礼乙女に対して
最初は憤慨していたが、途中から自分たちで独占できるとして喜んでいたということを
報告いたします。 なんだそりゃ。