□月 ●日  No2260 八雲商事と博麗大結界


株式会社八雲商事とは幻想郷に物資を運ぶための組織ということが出来るだろう。
八雲商事がなぜ組織の形態を取るのか、そもそも組織という存在は天狗たちが持つノウハウと言われる。
そして人間は組織立って行動することで、自然の驚異に立ち向かうことが出来るようになったと言える。


幻想郷に物資を運ぶと言うクリティカルな仕事を特定の妖怪にやらせるなんてもってのほかだ。
幻想郷が出来るとき、物資の問題は真っ先に出たのだが。それに対して調整が遅れたことが
実のところ幻想郷分離直後の妖怪間の衝突だったと言える。


社会的不安の払拭をするには安定した収入や安定した生活基盤が要求される。
非常時において一時的な社会的混乱があった場合も速やかに解決できなければ
社会的不安へと直結する。社会的不安は幻想郷の破壊へと向かうことは
間違いないことであった。すなわち幻想郷設計時において一番警戒しないとならないのは
内側から幻想郷を破壊する動きへの対処だったのである。


自称現人神の家に実のところ幻想入りしていないようなものが入り込むのも
結局のところある程度の融通が利かないと幻想郷不安定化の要因になるからに過ぎないのだ。
そして霊能局も基本的には幻想郷が外に攻めてきた場合の対応を念頭に置いているのである。
その割には予算が毎度すくないと愚痴っているが。


そんなわけで幻想の世界と言えど維持には結構世知辛い話が多く、身もふたもない
通常業務がなんだかんだ言って幻想の結界となるのだから不思議な話である。
ボスはそれは文化という名前の結界であると言っていたが
博麗大結界というのはえてしてそんなものなのかもしれない。