□月 ●日  No2261 幻想戦術ドクトリン


よくですね八雲商事内部で顕界の兵器と幻想郷が激突したらどうなるのかという話が出るので
その辺のところを冴月さんに尋ねたところ、「戦術ドクトリンが違う」であっさり一蹴された。


要するにスペルカードとは基本的に一対多を前提にした設計がなされている。
妖怪の個体数が少ないため、戦いは概ね一対多になるからだ。当然このような戦闘では肉を切らして骨を断つしかなく
スペルカード展開時に攻撃を防ぐいわゆる「ボム」と言われる現象も結局は一対多の状況を反転させるためという
基本戦術になっているのである。


顕界でスペルカードを利用する場合はだいぶ状況が異なることになる。
陸戦において随伴歩兵を散らすのにスペルカードを利用することが多いのだが、これはこれで問題がある。
相手が妖怪と判断された場合、最近の対妖怪戦術ドクトリンでは、隣国製戦車の有用性がとりだたされているらしい。


ちなみにあっちの国のコンセプトは随伴歩兵はナッシング、戦車だけでなんでもやろうというコンセプト。
仮想敵国の関係で、長距離砲台の餌食になりやすい戦車は移動しながらの砲撃を期待される。
これはスペルカード戦できわめて有効な戦術であると、あっちの国の人は胸を張るが、確かにそれなりに有効なのだ。
そもそもスペルカードは戦車相手には火力が不足気味なのだ。 もちろん対策されれば終わりなので
航空戦力も重要であるというのが実情らしい。戦車で移動しながら行動すれば確かに死亡率は減る。
随伴歩兵は疲労するから戦車だけでなんとかしないといけないというわけだ。


ちなみに霊能局でも大型妖怪と戦う時は色々な兵器を輸入しては投入しているらしい。
色々な戦術で戦うことは戦術のパターン化を防ぎ妖怪たちの学習機能を混乱させるからである。
先日は中東からトーチカの代わりになるという戦車が投入されて里香女史の目がきらきら輝いていた。


幻想郷と顕界の戦術ハイブリッド化は意外と進歩しているのである。