□月 ●日  No2633 特定秘密とかけまして


 八雲商事のロビー活動でうまくいった事例といえば、秘密保護法のたぐいであります。
 幻想郷のことを合法的に秘密にすることで、幻想郷の幻想を担保しようという法律です。
 この法律が、リベラルも保守からも上がってはなぜか当時の野党に反対されるという不思議な形態になってますが
 どっちにも金出しているから仕方ないです。成功報酬もありますからね。


 ただ、この法律、ちょっと不便なところができました。
 この法律を用いますと、幻想郷に迷い込んだ人が容易に元の世界に戻れなくなるのです。
 まあ、幻想郷に行ったことを宣伝すれば法律で罰せられるというわけなんですね。
 実際には運用されることはないとは思いますけど、特定の人がそれをやると
 罰せられるわけですね。


 八雲商事ができた理由もその辺がありまして、国家依存で秘密保持をやりますと
 国家が吹き飛んだ時に洗いざらいばらされるって問題がありまして
 結局妖怪資本が絡んだ組織の中で一般企業の秘密保持に落としこんだという事情があるのですね。


 それで、ちょっと面倒なのはスキマ妖怪が洒落で連れてくる外の世界の人。
 こいつを戻せるかどうかで問題になったんですね。
 最初はガイドラインでも渡すかって話になったんです。ここでの話を口外したら
 法律で罰せられますという感じで、でもそれでは不便ということで
 なら最初に戻る前に勉強してもらいましょうってことになったら
 大体の人が外の世界に戻らなくなりましたという 落ち。


 これっていいのか悪いのかわかりませんけど
 うまく回っているからいいってことなんですかね。