□月 ●日  No2767 巨大妖怪の憂鬱


 たまには八雲商事の社員が妖怪退治をするしか無い時があるわけですが、今回の妖怪は色々な意味で最悪です。
 建造物型の妖怪はこれまでもあったことがありますが、こいつはなんと村ごと妖怪でした。
 自分の位置を悟らせまいと、電磁パルスを用いてこちらの電子機器を妨害しようともしてました。

 
 中にはなんと人が住んでました。
 この妖怪は中の人間と共生していたのです。どういう意味かといえば、自分を恐れることで
 支配しつつエネルギーを得て、さらに外から迷い込んだ人間は自分で食ってたってオチです。
 なかなか味な真似をします。


 で、なんでばれたかといいますと、ちょっとばかり迷い込んだのです。
 経験値がなかったら普通はパニックでしょう。電話も通じませんし、
 ただ、私の行動って一応モニタリングしているのですよね。ロストすればそこから探してもらえるのです。
 その他にもちょっとばかり動きましたけどね。

 
 オチがわかれば特に問題はありません。
 こいつの実体は出入口の方で、土地そのものを完全に覆っているわけではありませんでした。
 そんなに巨大になると食料を手に入れるのも自分が希薄すぎてわかりません。
 ちょうど虫が口の中に入るみたいなものです。
 だから住民に探してもらうなんてアホなことをしていたと。


 だけど、こいつがアホだったのは妖怪たちを入れないようにしていたことです。
 で、持ち上がったのはこいつ会費払ってないだろってオチ。
 自助団体に入りたきゃ金払いなってやっている妖怪は結構いるらしいですが
 この巨大妖怪、自助組織にはいらない妖怪を匿って、支配するという愉快なことをしてました。


 魂魄たちが、近代兵器を駆使してどついてまわったそうな。
 しこたま溜め込んでいた上、なんと最近では人間を食わないで外の世界で働かせて上前をとっていたことが
 発覚して、みんな口あんぐりあけていたというわけです。
 

 なんだかなあと思うわけでした。


 ※そりゃ村ひとつでは運営できないから外貨稼いでやらないといけないのは八雲商事も同じであります。