□月 ●日  No4035 霊能局員のボヤキ


 マツハチの社員は妖怪相手にも基本的に逃げることもたじろぐこともしない。
 全く馬鹿げている。こいつのために税金を投入しているんじゃないと思う。
 しかし悔しいかな、彼らの持っている武装は本物だった。


 武装というのはちょっと変だが、見た目上はただの携帯電話の類だったからだ。
 多分その中に魔術を高速詠唱するためとかのアクセラレーターが入っているのだと思う。
 まったくもって非科学的だが、いや、われわれの相手がほとんど非科学的かもしれない。
 もっと正確に言えば彼らの特性を理解していない我々もまた、非科学的ともいえる。


 とはいえ、弱点を的確に攻撃できるのは我々だ。
 その点は間違いない。 
 戦闘のプロとの差はその点に歴然と出るのだが
 マルハチの社員はというと、大けがをしてそのまま回収されるも
 結局五体満足で帰ってくるのだ。 あの時四肢をもがれたとしてもだ。

 
 まさに彼らはゾンビか何かだと思っている。