○月 ■日  No279 八百万の神と偉人たち


紅葉のカミと聞くと私は二宮金次郎を思い出す。
彼は農政家としての能力を如何なく発揮した偉人であるが
同時に紅葉のカミにアクセスできる能力を
無自覚ながら持っていたというのだ。
事実、彼が立て直したムラは飢饉が発生したにも関わらず
一人の餓死者を出していない。
他のムラが深刻な食糧不足のため、最後には人間を焼いて食ったにも関わらずである。
これは紅葉のカミの活動タイミングを察することができたからと言われる。
彼女の活動タイミングが極端に早まると、日照時間が極端に減り
作柄が極めて悪くなることが確認されている。
二宮は5月の段階ですでに食べ物の備蓄を指示していたそうだ。
当時の老中である水野忠邦が彼を召し上げたのはそういう裏事情があるらしい。


八百万のカミといってもそのメカニズムは壮大なもので地球環境そのものにも
影響を与えている。
彼女たちの能力はしばしば過小評価されがちだが、我々にはとても危険かつ
とんでもない存在であると認識されている。


後日談であるが米帝も二宮の能力については昔から注目しており
GHQが二宮の例を挙げて勤労の重要さを語ったというエピソードが残されている。