河童にこれだけは言っておきたい。
私も岡崎も人間です。 ホモサピエンスです。
宇宙怪獣アラズンバじゃありません。
だから何故私に「今日人間に会ったよ」と言わないでほしい。
うちの会社のIRシステムに河童がハッキングを仕掛けていることは
既にわかっていた。
そのことを咎めると「人間観察」と言っていたがまさか私を人間と
思っていなかったとは思わなかった。
道理で人見知りするはずの河童が逃げないわけだ。
ボスから厄神様に厄を落としてもらえと指示をうけた。
いつの間にか顔色が悪くなっていたらしい。
厄神様の場所へは容易に行けた。 今まで知らなかっただけとも言う。
幻想郷で働いている私だが
地理についてはまだまだ知識が足りないようだ。
厄神様は私のことを観察すると、「妖怪は専門外なんだけど」と言った。
厄神様 あなたもですか?
笑いながら「冗談」と言われて嘆息するも、どうやら私の物事を気にしすぎる性格が
厄を呼び込んでいると言いたいらしい。
さすがは厄神様である。 単純に厄をはらうだけではなく厄の原因をきちんと
指摘するのは専門家ならではだ。
厄神様はこうも付け加えた。もともと妖怪の由来のひとつが外来人なのだから、
私は幻想郷の者からすれば「怪物」だというのだ。 なるほど。
厄神様のアドバイスで随分気が楽になった。
彼女は多忙の身らしく簡単には相談には乗ってくれないそうで
今回は話をつけてくれたボスにも感謝しないといけない。