■月 ○日  No447 最大級のかき入れ時


もうすぐハロウィンと言うことで、霊能局から動員がかかる。
ハロウィンが終われば八百万のカミによる伊勢参りが始まり
どうしようもないほど忙しくなる。
きちんと行列をつくることができる我が国の幽霊と違って
米帝の幽霊の一部は行列をつくるという発想がない。
これは文化の問題であってその人間の人格の問題ではないので
とやかく言うことも難しい。


夜雀が屋台の特需を当て込んで材料を大量仕入れしている。
ここできっちり稼いでおいて年末に備えたいところだろう。
薬屋のほうにも薬剤備蓄の通達を流しておいた。
霧雨店にも幻想郷土産が続々と入っている。
この店もこのときばかりは米帝の文化に合わせた商品となる。
醤油の表示がソイソースになっているのは思わず笑ってしまう。


ヴィヴィットとルーコトたちも動員が決まっている。
魔界のスタッフたちから色々と学習しているようだ。
職員のひとりであるユメコ女史が「お前らパーティの時間だ」と叫ぶと
ルーコトたちが甲高い声で「はい軍曹」とか叫んでいた。
米帝の文化はわけがわからない。


ボスを住吉神社まで送ることになった。
なんでもここに棲むカミ様に根回しをする必要があるらしい。
ここ数日間ボスは、ずっとあちこちのカミ様に根回しを始めているようだ。
神有月になるとカミ様が主業務に集中してしまい、
とても根回しどころではなくなるという。
神有月になったら、あのケロちゃん帽のカミさまと例のおねえさんも運ぶことに
なるのだろう。考えただけで鬱になってきた。