■月 ○日  No446 幻想郷のネズミたち


幻想郷におけるネズミはとても危険な存在である。
食料貯蔵庫に巣くって大切な米を食べたり様々な伝染病を媒介したりする。
幻想郷の街は特に猫が多いことで知られている。
猫の妖怪と言えば、隙間妖怪の傍らにいる「橙」が有名であるが
橙のさじ加減一つでネズミの害がコントロールされることもあって
現地では信仰の対象になっている。
その大きさは下手な八百万のカミよりも高いらしい。 
神社のおねえさんも羨む話である。


上白沢のところで食事をしたら彼岸花が出た。すり下ろして水で晒し解毒したものである。 
飢饉の時の非常食として用いられることもあるという。
これもまたネズミよけのために植えられていることはあまり知られていない。
彼岸花は球根に毒を持っており、田んぼの畦道を破壊するネズミを遮る役割を持つ。
冥界に植えられたりする季節ものの花ではないのである。


自称現人神が自分の目の前でネズミが破裂したと言ってたいそう怖がっていた。
山にいるネズミは八百万のカミの化身であることが多く取り扱いが難しくなる。
中に轟音とともに体を破裂させる小玉鼠というネズミがいるのだが、こいつが
八百万のカミである。
この小玉鼠は本来何かしらのトラブルが起こる際に警告として出現するらしい。
神社のおねえさんが「身に覚えがない」と言っていたが
ケロちゃん帽の女の子が「嘘つけ」とツッコミを入れていたのが印象的だった。


この破裂音、身代わり呪符発動時の破裂音にも似ているがそれもそのはず
小玉鼠が使う映し身をスペルカードで再現したものらしい。
妖怪を倒したときの破裂音は小玉鼠の破裂音そのものだったわけだ。


厄神様に話を聞いたら「誤爆」とだけ言われた。
どうやら発動条件はかなり適当らしい。
少し安心してそのことを三人に話すと、薪を採るために風の力で木を倒したとか
冬眠場所を探して地面を掘りまくったとか、かなりえげつない勧誘をしていたとか
思いっきり黒い話を聞かされた。 自業自得じゃないかそれは。


とりあえず祟りを回避する呪文「ナムアブラウンケンソワカ」を教えておいた。