□月 ●日  No835 蓬莱人の憂鬱


メトセラ娘とニート姫の殺し合い。 というより馴れ合い。
もう幾度となく繰り返されておりややマンネリ気味である。
そんな二人だが決闘をするときは色々と制約というか取り決めがあることは
あまり知られていない。


その決まり事に触れることが出来たので報告する。
それは薬屋からメトセラ娘にお届け物をしたときのこと。
誰が見ても危なそうな代物なので少しだけくすねて調べてみたら
それはなんと下剤だった。 
下剤をまぜるならいざ知らずパッケージで渡す
意味があるのだろうかと思う。


当人に下剤の話をさりげなくしてみると予想外の答えが返ってきた。
実は決闘で自分が死ぬと、体中の筋肉が弛緩してしまい
食べた内容物が垂れ流されてしまう事態が起こりうるというのだ。
言われてみては確かにそうだが実際に言われるとかなりショックである。


そこで決闘の前には下剤を服用して胃腸の内容物をすっきりさせるのが
基本と言うことになった。 お互いに後始末をするのは嫌だからだ。
こうなると決闘の後に飲み会の流れになる理由もはっきりする。
単に二人ともお腹がすいてどうにもならないのだ。
おおかた永遠亭側でお餅が振る舞われてフードバトルが勃発する。
二人の胃袋では思った以上に入らず、薬屋がふたりに整腸剤を渡して
闘いは終わる。


メトセラ娘と博麗の巫女がが初めて会合を果たしたとき
なぜ上白沢が最初に立ちはだかったのかもこれでわかる。
本来ならメトセラ娘が真っ先に現れれば上白沢が怪我することも無かったはずだ。
友人が怪我をするリスクをメトセラ娘が積極的にとるとは考えにくい。
だがそのときトイレにいたというなら話は別だ。


そういえば永遠亭の改築でもトイレにやたら予算が掛っていたことを思い出した。
幻想入りして間もない割と新しい便器を導入して、予算があるなと感心していたものだ。


恐らくこのことは博麗の巫女達にとっては一生涯理解できない概念であろう。
蓬莱人ならではの憂鬱。 不死身も決して楽ではないとこれで理解できるかもしれない。