おさらいであるがうちの会社は幻想郷に物資を運ぶ仕事をしている。
妖怪相手の商売であるがエイリアン相手にも商売するときがある。
最近気づいたのだが、月相手の商売については今の社長すなわち隙間妖怪は関知していないようだ。
一応この会社は隙間妖怪が設立したものだが、経営の実権は別のものが握っている。
幻想郷というのは思っていた以上に一枚岩ではない。
ボスはいざとなったときのフェイルセーフであると言っていた。
隙間妖怪に依存した幻想郷はそれだけで危険なのだ。
もし隙間妖怪が幻想郷を巻き込んでドンパチを始めたら情け容赦なく隙間妖怪を討つことになっている。
朝倉の話ではあと少しで巻き込みかけたらしい。
そのときは隙間妖怪が引くことで解決したと言うが、そのとき自分は竹林にいたことを思い出しぞっとする。
永遠亭の修繕作業。 前は朽ちていかない術とがあったらしいが、術が切れると普通の家以上にメンテナンスの手間がかかる。
キクイムシの被害でニート姫の部屋の床が抜けたという報告を受ける。 薬屋なのに虫除け剤を撒かない矛盾。
ツッコミを入れたら、姫様に影響が出たらどうするって言われた。 気持ちはわかるが。
虫妖怪に退去してもらうよう頼んだらどうだと言ったら、相当嫌われているらしく無下に断られたと言っていた。
考えてみたら永遠亭の連中が起こした異変でとばっちりを受けたのは他でもない虫妖怪なのだ。
本人にしてみたら大迷惑以外の何者でもないのだろう。
後で聞いたら、逆さづりにされたと恨み言を言っていたから仕方ないのかもしれない。
こんな調子で幻想郷の中だからといって皆が皆仲がいいとは限らない。
うちの会社のメンツが特定の妖怪の担当制になっているのも、仲が悪い妖怪ふたりの間に立つのを防ぐためである。
隙間妖怪でさえ、討たれる危険があるのが幻想郷だと理解されたい。
永遠亭の修繕作業をしたらそこだけ綺麗になってしまい、姫様がここだけ直したみたいで嫌だと我儘を言い出した。
実はよくある話だが薬屋がかなり困った顔をしていたのが印象的だった。
結局部屋の床全部張り替えることになってしまった。
費用は折半となったが予算を考えるとかなり痛い。
頼むから予算の使い込みは勘弁して欲しいと思う次第である。