□月 ●日  No981 阿礼乙女と妖精


阿礼乙女の邸宅 
相変らずの重武装である。 指定された場所を歩かないと空中爆雷が飛んでくると
もっぱらの噂だ。 それもこれも全ては妖精対策だと言うのだから恐れ入る。


彼女のレポートを見ると妖精に対して、やたら過激な発言が飛び出すのが印象的だ。
妖精たちの弱点を克明に記録し、確実に叩きつぶしにかかる。
私が妖精の悪戯に冷静に対処できるのも阿礼乙女のお陰である。
今起っていることを妖精のせいとすることで幻想郷で起る大半の事象は説明できるからだ。


明羅女史に言わせると、過去に阿礼乙女は妖精から様々な悪戯をされていたが
彼女の特性上水に流すことができないらしく、このような事になったらしい。
幻想郷縁起の原本はなんとしても護らないといけないのだが
実は何回か書き直していると言われた。
もちろん文面は一字一句覚えているから復旧は理論上問題は無いが
殆ど寝ないで書かないとノルマが達成できないらしい。


また、過去には妖精の悪戯で破傷風になりかけたこともあったらしい。
破傷風になると彼女の体力では致命傷となるので非常に危険である。
何故なりかけたかについては明羅女史から聞くなと厳命されている。
君子危うきに近寄らずだ。
本当に難儀な話である。


余談であるが阿礼乙女の家には全自動で弾幕を張れる砲台が4基搭載されている。
ボスが使っていたもののおさがりという話だ。
阿礼乙女曰く、妖怪が一匹いたら10匹いると思えという。
ゴキブリじゃあるまいしと思う。


いずれにせよ阿礼乙女を敵に回す真似だけは避けたいところだ。
ずっと根に持たれて末代まで彼女の敵に回るのは勘弁して欲しいものだと思う。