□月 ●日  No1004 勝手に捨てるなよ


幻想郷で久々に傷害事件。
妖怪が人間に襲いかかったらしい、里の人間を襲撃するのは割と珍しいケースだ。
当人は結構な深手を負ったが薬屋に搬送すれば命に別状はないだろう。
こうした時間はたまに起る。
概ね契約ミスで襲われるケースが多い。
この場合は事故扱で妖怪は無罪というのが通例である。


さて今回のケースだが捨てた物が妖怪化して復讐されたらしい。
肝心の妖怪は想いを果たした瞬間に物に戻ってしまったため容疑者不在ということになってしまった。


幻想郷というのはものの謂われが実体化する世界である。
想いが込められた物を邪険に扱うと偉い目に遭う。
酷いケースでは妖怪化してその人を制裁することだってある。


特に不味いのはまだ使えるのにいきなり処分してしまう奴だ。
想いをもったままの品物を破棄すると最悪戻ってくる場合がある。
その間に妖怪化した日には笑ってじゃ済まされない。
確実に破滅的結末が待っている。


顕界で大切なものを捨てていて相談している奴がいるが、平和ボケにも程がある。
幻想郷でやったら確実に中有の道への片道切符がもれなくプレゼントだ。
離婚で済むならまだ可愛いではないか。
どっちにしろ自業自得だろう。


だからこそ幻想郷ではリサイクルシステムが重要になる。
そういえば香霖堂に博麗の巫女がたむろしているのも妖怪化した物品から身を守るためもあるらしい。
どう考えても保健にしては被害総額はるかに勝っている気がする。
うちの会社からの補填があるからまだいけるともいう。


たまたまやってきた小兎姫が惨状を見て頭を抱えた。
復讐したのがまあ、ああいう玩具が妖怪化したものだというから目も当てられないのは確かだ。
やってきた自警団に一通り引き継いで帰った。 いい加減勘弁して欲しい。