□月 ●日  No1028 小兎姫の手記 VS さとり


朝、寝苦しさで早く起きてしまう。
あまりに早く起きたので、朝食を少し凝ってみる。 
ウインナソーセージも炒めてみてアメリカ風のブレックファストにしてみた。
普段より早く出勤したら、電車がとても空いていて驚いた。


今日は普段接することのない妖怪と話をすることになっている。
妖怪と接するのはとても神経を使うことだ。
いくら大丈夫とは言われていても、交渉事次第では命を奪われることすらある。
マルハチの人々は平気そうだけど、理香子の話ではやはり対応に苦慮していると聞いている。


その妖怪は地下深くにある建造物の中に住んでいた。
中に入ると美しい装飾が飾ってあって紅魔館とは違うセンスの良さを感じさせる。
特に光の使い方が素晴らしい。 地下という真っ暗な世界だからこそ、光と闇のコントラストがとても映える。


だが、この日あった妖怪はいつもと勝手が違ってとてもやりづらかった。
「さとり」と呼ばれる地霊殿の主人であるが、彼女は私が考えていることを読み取ってしまうらしい。
ふつう、妖怪と接するときは、猫を被りながら様子を伺い、少しづつ会話の糸口を見つけていかないといけない。
しかし彼女にはそれが通用しない。
相手は心を読む妖怪と知られた存在だからだ。
本人に言わせれば彼女と対等に接することことができる人物もいるそうだが、きっとある意味何も考えていない人
なのかもしれないと思った。


終始ペースが乱れたまま、疲れだけが残った状態で帰路につく。
出来るだけ所属している場所について考えないようにしたので色々苦労してしまった。
一応話すべきことは話したが、満足に覚えていない。 ボイスレコーダーの声を聞いて報告書を書き起こしたら
支離滅裂なことを言ってる場面があって苦笑するしかなかった。


もう疲れた。 寝る。