□月 ●日  No1048 大きくなりすぎだ


うちの会社の倉庫に謎の檻が出現した。 見ると数年前にお世話になったあの槌の子が
鎮座していた。 見ないうちにすっかりでかくなっていた。
しかも私に懐くではないか、考えてみれば私も餌付けしていたのだった。


これだけ大きくなると、餌も大変である。
しかし捕獲したときはかなり飢えていたがそれでも人間を襲わなかったという。
どこぞの妖怪に言ってやりたいエピソードだ。


この槌の子が大きくなるとミズチとと呼ばれる蛇神となる。
これがさらに我々よりも遙かに生きると竜になると言われている。
竜とコネができたと喜ぶには早い。 残念ながら竜に昇格するのは
私が数回生まれ変わった後である。


どうしようと思いながら途方に暮れていると、
なんと点から天女ならぬ竜宮の使いが下りてきた。
一瞬天女に見えたが、珍妙なポーズを見て一瞬でその気は失せた。


竜宮の使いは槌の子を引き取りたいと言ってれた。
そもそもつとの子は天界に住むべき生き物であるという。
天界は恵まれた土地とされており、食べ物もたくんあるのが特徴だ。
実際に見た天界はとてもそうとは思えなかったが。


槌の子とお別れのの段になったら、なんとなく涙が出てしまった。
どうやら情が移ってしまったらしい。
竜宮の使いが何なら返すかと尋ねてきたが全力で否定した。


結局槌の子は天界でのんびり暮らしているらしい。
だが、ふと考えた。元々天界にいた奴らである。
色々面倒ではあるが元気そうで何よりと言ったところか