□月 ●日  No1144 季節の変わり目にご用心


衣替えの季節と言うことで、うちの会社にも冬服が支給される。
幻想郷生活用と制服用と二種類が宛がわれる。
と、いっても今の時期冬服を着たりしたらそれこそ周囲にバカにされるので
無理をしても普通の服装で過ごさないといけない。


この時期になると朝方本当に冷え込む。
お酒を飲んで寝転んだ人がそのまま凍死なんてこともこの時期から発生する。
意外と油断できないのが今の季節だったりする。


妖怪たちも例外ではない。 高度を高くとると途端に体が冷えて仕方ないのだ。
冬の装備抜きの妖怪たちはこの時期そろって風邪を引く。
薬屋は大繁盛である。 みな風邪を煩って感冒薬などを貰っていく。
うちの会社でもせっせと薬類を供給している状態だ。


最近地底から出戻ってきた大師様以下地底妖怪たちは地上の寒さに打ち拉がれているようだ。
今まで千年近くも環境の良い場所に住んでいたのだから当然である。
船長や寅さんもみんなそろって風邪を引いている。
大師様については鼻声で読経している有様だ。 なぜか読経中は一切くしゃみがでない。
身体強化の術もウイルス相手では完璧ではないらしい。
他人の病気は治せても自分の病気となると大変らしい。


あまりに蔓延しているので蜘蛛妖怪と里香女史がインフルエンザを疑っていたようだが
薬屋と共同で検査したところとりあえず陰性だと判明してほっとする。
何故蜘蛛妖怪が出張るのかと聞くと、自分が真っ先に疑われるからだと言われた。
彼女も大変だ。


余談だがこの状況においても妖精たちは一切風邪を引かなかったことは記しておく。