□月 ●日  No1143 訓練された鼠ども


迷いの竹林に迷い込んだナズ軍曹の手下の鼠の捜索をする羽目になった。
迷いの竹林は様々な侵入者対策が行われている特殊な領域である。
入り込むと妖怪すら迷うとさえ言われている。


先ず方向感覚が狂う。 そして妖精たちが目印に色々手を加えてしまうのだ。
獣道は左右に折れ曲がり、どちらほうこうに進んでいるか分からない。
太陽の光も竹林の奥深くに入ると当てにならない。 
GPSの地図を頼りに入らないと確実に迷うだろう。


ナズ軍曹の力を持ってすれば行方不明の鼠を探すことはできるだろうが
今度は帰還できない可能性が高い。そこで客観的に位置関係を掴むことができる
我々がサポートに回ることになったわけだ。


鼠を捜索していると、人間型の因幡と呼ばれる兎妖怪が怪我をして倒れていた。
一体何事かと尋ねると、鼠に襲われたと言う。様子がおかしな鼠を逃がすために捕獲しようとしたら
攻撃を受けたらしい。 ナズ軍曹がうちの鼠は特殊訓練を受けているからなと勝手に納得していた。
そんな物騒な鼠だったらさっさと竹林から追い出さないといけないだろう。


鼠が消えたというところに向かって歩みを進めるとナズ軍曹が至る所に仕掛けられている
ブービートラップを見つける。 こんなところにトラップを作るなんて聞いていないと思って
辺りを調べると偶然にも詐欺師兎を発見した。


聞けば、不法侵入してきた鼠と因幡たちが交戦しているらしい。
さすがは我が部下と勝手に納得しているナズ軍曹。
戦闘のプロである鼠たちも詐欺師兎の知恵の前に相当酷い目に遭ったようだった。
隠れている鼠を武装解除するのに時間が掛ったのは言うまでもない。


ナズ軍曹が通訳する鼠の軍人さんは詐欺師兎を気に入ったとか敵ながら天晴れだと
勝手に評価していたが、結局竹林にあるものは因幡たちが捜索することで
話がついたのだった。
なんかとんでもない奴らを幻想郷に送ったものだと今更ながら後悔している。