□月 ●日  No1145 素晴らしい疑似恋愛ツール


顕界での休みでたまたま同じ休みの明羅女史を発見する。
なんでもすこし遅めの長期休暇をとっているそうだ。
阿礼乙女のことはしばし忘れてプライベートの時間に集中しているらしい。


話の途中、明羅女史が傍らから通信機器を取り出してなにやら操作をしている。
所謂疑似恋愛ツールだということだそうで、最近流行っているらしい。
最近幻想郷に出てばかりで顕界の情勢にてんでルーズになっている事実に気づいて欝になる。


適当に会話していたら、同じく休みを取っている岡崎と合流する。
そろそろ会話が続かなくなってきたので丁度いい助け船といったところ、
明羅女史のコミュニケーションツールを見つけて話が盛り上がる。
二人の話を聞けば聞くほどまるで出会い系サイトのような代物だと思うのだが
時たま、機械から「愛している」という声が聞こえてきてコメントし難い気分となる。
何でもことある毎にそう言った言葉を投げかけさせるように指示しているのだそうだ。
相手もたまったもんじゃないだろう。


明羅女史は今までの彼氏と違って数日間いつでも対応してくれるというのだが
それではまるで自宅警備員みたいなものではないだろうか。
中の人は彼女の要求に常に答えているというのだろうか。 疑問はつきない。
岡崎も似たようなことをしているらしい。 なんという魔性の女なんだろう。


途中で北白河と合流。 岡崎が休みなので多分同じように休暇をとっているのだろう。
岡崎と明羅女史が遊んでいるツールを使わないのかと尋ねると、「そんなことをするなら
皆で飲み会に行った方がいい」と言われてしまった。まあ違いない。
ふたりは疑似恋愛だからいいと主張しているがお互い予定調和のあるシステムが良いのかも知れない。


帰りがけに皆でディナーになったのだが、そこで明羅女史のツールで異変が起こった。
なんでも相手が音をあげたらしい。 三日間も拘束すれば当前の帰結ではあると思う。
振られちゃったと苦笑いする明羅女史に北白河も休み中に終わったのだからいいでしょうと
言っていた。 色々な意味でコメントに窮した。
会社で他の人もやっているのかと尋ねたら、朝倉もプレイしたがこちらは一日持たなかったと
言っていたらしい。 何故持たなかったのかなんとなく理解できたのがどことなく悲しい。