年の瀬ともなると、お金に関する話題が増えて色々困る事態となる。
うちの会社でも手形が吹っ飛んだという噂話が絶えず行われており
経理的にまともな会社にいて良かったと思うことしきりである。
この時期増えるのがなんと言っても夜逃げである。
幻想郷で夜逃げというと、時間帯がとても難しい。
夜は夜で妖怪達が跋扈しているため、むしろ夜の方が逃げにくいからである。
外の世界の感覚で、丑三つ時に逃げるのは自殺行為と言えるだろう。
逃げるタイミングはむしろ白昼堂々か、早朝で人間と妖怪が入れ替わる
タイミングが望ましいと言われている。
白昼堂々というのは、破綻する一歩手前で姿を消すというものである。
幻想郷ではそのため計画倒産も後を絶たず、気がついたらドロンなんて事態が
普通に起こっている。 夜逃げられないのだから仕方がない。
小兎姫たち霊能局がクリスマスを潰して夜逃げをしている妖怪を捕まえるのに
四苦八苦しているということで、例の神社からあぶれた人たちで
捕獲作戦が計画された。
なんでも、夢幻館に出入りしていた業者不渡りを出した上で逃亡したと言う。
風見女史に喧嘩をうるとはチャレンジャー過ぎる。
かくて夢幻館がその妖怪に賞金をかけたため、このままでは年が越せない
連中が集まってきてえらいことになっている。
メトセラ娘がこいつをとらえれば、餅が食えると張り切っていた。
去年と違うのは博麗の巫女がいないということである。
これだけで逃走する妖怪の生存率はかなり上がると思われる。
だがチャンス到来と喜ぶ妖怪もいるのでプラマイゼロといったところか
ちなみに幻想郷でいないのが夜逃げ屋の存在である。
理由は見ての通り割に合わないからである。
食い詰めた博麗の巫女やメトセラ娘を敵に回して夜逃げをするのは自殺行為にもほどがある。
ちなみに小兎姫が数日掛けて捕獲できなかった夜逃げ妖怪は人海戦術もあって
一日たらずで捕獲された。 体中火傷を負っており、治療してからとなりそうだ。
八意病院じゃなければそれでいいのだが、南無南無。