□月 ●日  No1227 今年の運試し


年末の運試しということで宝くじを買ってきた。
ささやかな枚数ではあるが、当たればちょっとした贅沢ができるかなという
かすかな希望を持っている。
さすがに宝くじが当たる程度の能力を持つ人はいないのはご愛敬である。


一方幻想郷にも同じようなものが存在する。
それが富くじである。 神社仏閣や公共設備の修繕費用を捻出するために
行われるもので、基本的にはそれ以外の仕様用途は慣例として駄目とされている。
幻想郷の妖怪の中には特別な力でくじに細工をする者がいるからだというのが
もっぱらの噂だ。 勿論そんな能力をもつ妖怪がいるわけないのは前述の通りだ。


何故か?それはくじの道具に強力な魔力遮蔽を行う仕組みができているからである。
魔力遮蔽といえば、スペルカードを実行したときに弾幕が当たらなくなるが
その現象にとても似ているのである。
そこがなんとも幻想郷ならではであると言えるだろう。


富くじで当たると、お金のほか食べ物があたるのも幻想郷の特徴だ。
とても甘いお菓子や、餅の類。 不足しがちな野菜の類が景品として選ばれる。
電化製品や耐久消費財が景品となる顕界とはちょうど対称的であると言えるだろう。


さて、高額当選するとどうなるか?
顕界でも高額当選した人がネットで紹介されてその後の人生がどうなったのかなどと
下世話な話題が飛び交っているのだが、幻想郷の場合、おもしろいのは天狗達が
護衛に当たってくれるということである。 
あまりに高額な当選が有る場合は犯罪抑止のため、複数の為替に分割し
両替商で保管するのが習わしだ。 その際、各種処理を守ってくれるのが
主に鴉天狗である。
よく鴉天狗は人里に近い妖怪とされているが、それは人里の経済システムと
深く関わっているからと言えるだろう。 


幻想郷で挑戦した富くじだったが残念なことに当たらなかった。
顕界の宝くじはまだ結果が出ないがあまり期待はしていない。
高額当選したらとりあえず、結婚資金として貯めておきたいところだ。
生活にはお金があってなんぼというものである。