ある妖怪にお近づきの印にお酒を持っていったらいらないと言われた。
てっきり好みの酒じゃないものだと思っていたが、単に宗教上の理由で駄目だった。
幻想郷の妖怪の中にはお酒が御法度な妖怪がいる。
ではお酒なしでどうしているのかと言うと、
彼らはお酒の代わりに違うものを割った飲み物を飲む場合が多い。
効果としてはお酒とあまり変わらないとは言うが扱いに苦慮する。
幻想郷には様々な国籍の妖怪がやってくるが色々と問題が起こる場合も多い。
その中でも里香女史が主に頭を悩ませているのが、ちがうもの。
顕界ではそれを大麻と呼んでいる。
近年、顕界でも大麻汚染問題が取りただされているが、幻想郷の場合は
そもそも大麻は違法ではない。
取り締まり対象にしたらかなりの数の妖怪が幻想郷にいられなくなる。
そうなれば顕界で大問題となるだろう。
幻想郷における大麻は基本的に、風見女史が一点管理している。
理由は幾つかあって夢幻館の地理的条件と、政府と繋がっていて
管理を集中できる点などが挙げられる。
また風見女史は大麻をぼったくり価格で売らない。
ここが重要で、特定のところで集中して作っていても富が一点集中しないことが
はっきりしていることが重要なのだ。
これは風見女史の腕っ節が一種保険となっている点もポイントになる。
幻想郷の大麻は医療用を除いてほぼ自給とされる。
外の世界から持ち出しているとあっては大スキャンダルとなるからである。
当然うちの会社でも取り扱えない。
薬屋に持ち込まれる医療用大麻もエリーさんが持ってくる。
この点は色々面倒な部分であると思える。
結局、その妖怪にはお酒ではなく乾燥芋などの食べ物を差し上げることで
話が付いた。 妖怪のリサーチが足りないとこういう問題が頻発するので
今後注意したいと思う。