□月 ●日  No1339 ラグボール


幻想郷では外の世界の事象が遅れて流行るのだが、たまにとんでもない代物が流行る場合がある。
一体何処からこういうのが流行るのか予測が困難なのはムーブメントが予測困難であるのと
同じであり、それは顕界も幻想郷も大きな差はないと思われる。


今回局地的に流行ってるのが、野球にも似たスポーツである。
ピッチャーが野球ボールを投げてバットで打つ。ここまでは普通の野球と同じ。
問題は選手全員がプロテクターを付け、デッドボール前提のルールとなっていること。
ピッチャーは弾幕の中に一個だけボールが混じっているスペルカードで
ボールを投げるもとい射出するのだという。 


攻撃側は弾幕を避けながらバットでボールを打ち返す。
ついでに弾幕を打ち返しても良い。


攻撃側がボールを打ってタッチしたとしても相手を吹っ飛ばしさえすればアウトではない。
弾幕を打ち返して、守備側を斃せば有利になるという寸法だ。
一体何を参考にしたのか疑問であるが、野球だって本場のルールが
国によって色々アレンジされていることを考えれば、幻想郷ルールが
あってもおかしくない。
いや絶対おかしい。


傍から見ている分にはとても美しい。
だが、どうみてもデスルールそのものであり、サッカーよりも酷いと思う。
サッカーもボールで相手を吹っ飛ばしても合法だったことを考えれば
そうなること位想像は付いたと言える。


身代わり呪符があるからこそできる遊びと言えるが
鬼娘のタックルなんて喰らったら内臓破裂は確実だし
天狗の走りはどう見ても相手を轢くという言葉がふさわしい。
早くブームが去ってくれと思うのは私だけじゃ有るまい。


阿礼乙女にその辺の話をして、なんとかなりませんかと相談してみた。
実はヴァンパイアの主人にも相談したが、面白そうだと違う方向で興味を示したので
諦めたところだった。
彼女の答えは、地雷の使用はOKですか? ということだった。


幻想郷住民に聞いた自分が全部間違っていた。


夕方、このルールが野球のルールブックからではなく顕界の漫画からだったことが発覚した。
どうにかして隙間送りに出来ないかあれこれ思案中である。