お盆になると忙しくなるため実家に帰って先に墓参り等を済ませることにする。
毎年必ず戻っておかないと幻想郷内で洒落抜きで噂になるためこっちは必死だ。
帰ったらすぐに仏壇に足を運んで線香をあげるようにしないといけない。
まったく因果な商売だと思う。
浅間が顕界側の動員が入ってお盆中出勤できないことになり、皆で必死にシフトを組みなおす。
シフト作成の締め切りは今日なのだが、すでに予定を色々動かしてもらってからの修正なので
皆が納得してもらえるかとても怪しい。
朝倉のように半分公務で休みを入れている者もいるのも忘れてはいけない。
景気が悪いせいか、お盆休みを日数を増やしている取引先が増えて困る。
お盆休みのファックスが届くたびに、受注状態に影響がないか検証しているのだが
今年もかなり厳しい納期回答をしないとならなさそうだ。
ある程度定期的に出る商品については在庫品発注をしておく必要がありそうだ。
実のところわが社にお盆休みなんてものは実質ない。
むしろお盆は米帝におけるホリデーシーズンみたいなものなのであり
その時期に休みを入れるのはほとんどタブー視されている。
子供がいる家庭では規制ラッシュやUターンラッシュを体験することはないだろう。
労働組合が色々ごねた結果、取れないお盆休みを月間休みを一日
増やすことでカバーすることで落ち着いた。
それがさらにシフト調整を難しくしているのである。
岡崎と北白河がこの申し出に不満いっぱいである。当然だ。
彼女たちにはかなり無理してスケジュールをあけてもらっている。
そのため、スケジュールの融通が利きやすそうな魂魄たちに日にちを移動してもらっているのが
実情だったりする。
それにしてもいまどき神社で動員なんて最近は神社関係がブームなのだろうかと思ったら
アニメキャラクターのタイアップ企画とかが立ち上がっているのだとかで、色々と頭が痛くなる。
実際にその事情を幻想郷の住民が知ったらどう思うのかと考えるとさらに頭が痛い。
しかもお盆帰省で戻ってきた亡霊どもがその事実を知って幻想郷にリークする可能性も
十分あるわけで、ろくでもない結末しか待ってなさそうで今から胃が痛くなっている。
考えてみれば、幻想郷にいる妖怪を見れば目撃者の誰かが妖怪をモデルにした
アニメキャラを作るのは時間の問題だったのではないかと思う。
一応住人は黙ってさえいれば、美人の女の子だらけなのだ。
そう、黙っていさえすれば。
現実はそう甘くなく、今から同僚と一緒に戦々恐々としている。
だから叔父さんよ。職場結婚なんてとうてい望めないんだよ。