□月 ●日  No1419 小兎姫 魂の叫び


朝から出張なので今日は早起き。前日残業だったので眠くて仕方ない。
公務員って基本的に残業代が出ないので意外と生活が厳しい。


今日はマルハチの理香子に3月期末に借りた武器関連の返却のため予算を申請する。
公務員は基本的に予算で動いているので予算が苦しくなると民間企業から借りるなんて
情けないことになる。この辺は持ちつ持たれつの関係なので結構大変だ。
予算関係は毎回頭が痛い問題だ。なにしろ我々は一応秘密ってことになっているから
無茶しようとすれば大騒ぎになる。


うちの局員の中には妖怪もいるが彼らを頼って移動するのだって必ず領収書がいる。
空を飛べるのにわざわざエコノミークラスの飛行機に乗って移動するしかない。
当然幻想郷に移動するときはマルハチの輸送列車に相乗りする。
当たり前だけどマルハチに領収書を作ってもらって予算をプールしている。
金庫検査されるときついのだけどね。


給料だって驚くほど安い。
何しろ秘密の組織だから公務員の事務員待遇だ。危険手当もあるけど、自給換算したら
ハンバーガー屋のアルバイトのほうがまだましだと思うときがある。
マルハチも手取り給料が安いって評判だけど、出張先の滞在費は会社が持っているから
ずっと楽じゃないかと思う。
防衛予算に組み込めばいいのかというとそうでもなく、防衛予算は結構あちこちの
目があるからいじり難い。
最終的には普通の公務員の枠組みにしたほうがずっと楽なんだ。


一応独立行政法人化というのも検討されたけど、今度は法律遵守の問題がもたれかかる。
マルハチにも労働基準監督署が入ったけど、あそこはまるで刑事のように粗を探してくる。
私たちの部署はひとたまりもない。


予算は妖怪資本経由を用いた政治資金の流れが大きな意味を持つ。
直接もらうと、また色々と問題になるから、政治家経由でロンダリングするのが一番だ。
その辺の人脈がないと駄目だし、天下りを受けれるのも防衛手段としてはとてもよい。
天下りの人は概ね優秀または、いろいろなところに顔が利く。
居るのと居ないのとではぜんぜん違うわけね。


理香子が指定するのは大体消耗品の類だ。事務用品など融通しやすいものを選んでくれる。
ちょっとしたことなのだが、公務員は資産計上をあまり考慮しなくてよいので
ちょっとした機材を頼まれるときもある。
機材といっても骨董品の類が多い。工芸品とか幻想郷に本来送られたほうが良い商品だ。
霊能局で買って、幻想郷にもっていくケースだってある。


とりあえず、購入品のリストを見積書にかけて商品発注。
発注者先がマルハチになっていて購入金額も原価になっているところがポイント。
我々は市場価格で購入できるので安心だったリするのだ。


商品発注が終わってとりあえず仮眠をとったら体が楽になったけど
今度は夜が眠れないか不安になっている。
この日に限って夜の仕事がないのはとても理不尽だ。
本当、なかなかうまくいかないんだなと思う。


私も理香子に倣って民間で働こうかしら。