□月 ●日  No1436 一瞬トロルだと思った


幻想郷にやたらやばそうな防護服を着ている人を発見。 近寄ろうとすると制止されて
入ることが出来ない。 冴月が妖怪達や妖精達を移動させており、気がつけばかなりの厳戒態勢に。
何故かコンクリートの袋が運び込まれていることから何かただならぬことが起こっているのは間違いない。
気がつけば周辺にはロープが張られて、KEEPOUTの文字が躍っている。


一体何事かと会社に連絡すると、その場所で幻想郷にあってはならない物が見つかったらしい。
放射能をまき散らすウラン鉱石やラジウムなどの類のようだ。
事情を知らない妖精達が被爆したとのこと。 
被爆した妖精は念のため弾幕で処分されて再生された後、周辺から移動させられたという。
たぶん冴月の仕業だろう。


幻想郷において放射性物質は、光る石として珍重されそうな物なのだが
妖怪の経験則により、昔から光る石の類は触れてはいけないという
基本ルールが存在しているらしい。
キュリー夫妻によるラジウムの発見に真っ先に飛びついたのも妖怪だった。
光る鉱石の正体を妖怪達もよく分かっていなかったが
近寄れば病気になることは知られていたのである。


面白いのは放射性物質を表現するときは幻想郷ではあり得ないほど
科学的な見地で説明が成されていることである。
幻想郷は幻想の世界故に放射能の光にも謂われがあると思っていたのだが
一瞬顕界の話だと間違えるくらい、放射性物質には幻想的謂われが殆ど
存在しないのだ。


これは弾幕として放たれるのを防ぐためだとか、妖怪に対しての攻撃としては
禁じ手であること。 そしてこういったもので自然に対する被害を考えると
妖怪に対する実効性を与えるのは危険極まりないことが挙げられるだろう。
確かに博麗の巫女にこんなものを与えたら躊躇わず運用しそうな気がする。


それにしても妖精が近づきたくなるような放射性物質は何なのか?
一体何が見つかったのかと連絡に出てくれた里香女史に尋ねたら
ラジウムチョコレートだったという。


そもそもラジウムを食べ物に混ぜるとか正気の沙汰ではないのだが
過去には本当にそう言う物があったらしい。
健康食品として出回っていたというのだからあきれかえる。
たしかにこれだと妖精は確実に騙されるだろう。
妖精達もなぜ自分が攻撃を受けたのか分からなかったようだ。
本当はた迷惑な話である。