□月 ●日  No1460 ミミちゃんの縁


唐突だが、朝倉が何故河城河童が霧雨のご息女と普通に接していられるのかと不思議がっていた。
朝倉の話によると河童は人間と相性はいいが魔法使いとの相性は最悪だという。
たとえば昔からの魔法使いとは相性が宜しくないという。
勿論例外はあり、大師様は始祖魔法使いと言われているが河童と喧嘩した様子は聞いていない。


なぜ、河城河童が霧雨のご息女に肩入れするのか。
単純に直接聞くに限ると思ったので、突撃取材を試みたら意外な答えが返ってきた。
霧雨のご息女は勉強不足で魔法使いの基本的資質である産婆としての機能を失っているのである。
これは幻想入りのルールから考えれば異常事態だ。


元来、避妊や堕胎、嬰児殺しは産婆でもある魔法使いの仕事だ。
故に産の忌みが存在する。 その仕事をやっていたのは魔法使いでありゆえに彼女たちは疎まれる結果となった。
報酬額も法外なほどに多かったからお金がかかる魔法研究ではそれくらい当然だったのかも知れない。


だが、霧雨のご息女は魔法を完全に学ばないまま放逐されたため(正確には放逐ではないのだが)
肝心な部分を学ばないままで魔法使いになったのである。
しかも、生活のための産婆としての機能はそのまま妖怪退治屋になっているときている。


元々嬰児殺しにデリケートな河童が魔法使いでありながらそう言った知識を持たない
霧雨のご息女に興味を持つのは至極当然だったと言える。
ちなみに参考までに大師様は嬰児を供養することはやってるらしい。


幻想郷の魔法使いは厳密には魔法使いの定義をクリアーしていない者が多いことを最近になって知った。
実は厳密な意味で魔法使いは幻想入りしておらず、インターネットの普及により魔法使いの知識が
体系化され記録されるようになったからだそうだ。
情報が伝わる速度が遅い幻想郷では魔法使いのシステムが失われて、魔法とを使い、捨虫の術や捨食の術を
使うのが魔法使いになってしまったようである。


ここまで河城河童に聞いてなっとくしたところで、何故河童ミサイルをつくったのかも尋ねた。 
以前、霧雨のご息女は香霖堂に置いてあった不発弾を妖怪にぶん投げたことがあって
それがとても威力が大きくて思わず引かれたという。
それは私が見つけた不発弾であり、盗んだのは霧雨のご息女であるのだが
結果オーライなので黙っていることにした。