□月 ●日  No1465 妖怪避難小町


実に唐突であるが地霊殿避難訓練をすることになった。
自称現人神一味が地下に変な施設も作っているし、灼熱妖怪も相変わらず
危ないままだと言うことを考えるとここで安全確保について考えることは
とても大切なのである。


避難経路を策定するに当たって問題が発生。
ステンドグラスが多すぎて移動時に危険すぎる。
そもそもステンドグラス自体があまり丈夫なものではない。
顕界では結晶化ガラスでサンドイッチすることで問題を解決しているが
当然そんな最先端なものは幻想郷にあるわけないので頭が痛い。
上から落下するステンドグラスで怪我でもされたらたまらないから
地霊殿の主人に予算をかけて改修工事をして貰うことにする。


実際の避難訓練だが、みな遠足気分で緊張感はあまりない。
これは顕界も同じであって大体この辺の風景は何処も同じなんだなと
感じ入る次第である。
死体運び猫がけが人を運ぶ訓練をしていたが、あまりに手慣れた仕事ぶりに
流石と言わざるを得ない。 専門家恐るべしだろう。


今回の訓練だがなぜか放蕩妖怪も参加してくれた。
遊べるチャンスとしか思ってなさそうだなと思っていたらきちんと役割を振ってくれと
言われて驚いた。 仕方ないので、避難訓練に同行して貰ったが
こちらが作った避難経路よりも合理的な経路を提案してきて驚く。
彼女にとってはここが庭なのだから当然と言えば当然だ。
AEDの使い方の説明をしたら、無意識レベルの管理とセットで利用する妖怪ならではの
利用方法を提案された。


さて放蕩妖怪から提案された幻想郷流の脱出方法とは、なんと屋上に向かって脱出するのである。
そもそも幻想郷住民の多くが空を飛べる。 飛べない者をピストン輸送することで問題を解決できるのだ。
炎に撒かれない方法も同時に提案された。 弾幕で煙の逃げ場所を先に確保してしまうのだという。
こうすることで煙に巻かれないようにするのと一緒にバースト現象もあらかじめ予防してしまう。
一気に空気が流れ込むから爆発するのであるから酸欠状態を作らないようにすればよいという発想は
さすがである。


幻想郷には幻想郷流の避難方法があるというわけだが、灼熱妖怪の壁を壊しながら脱出には
色々笑わざるをえない。 
地霊殿の主人が提案されたプランの数々に肝を冷やしている様子が印象的だった。
どれもこれも地霊殿を破壊しながら脱出しているからである。
酷い話だ。