□月 ●日  No1481 幻想麻薬Gメン


幻想郷に薬物を持ち込もうとしている妖怪や人間を取り締まる仕事がある。
幻想郷といえど薬物とは無縁ではない。幻想入りした薬物は少なからず存在するため、
薬物汚染問題は幻想郷といえど無関係ではないらしい。


この日、小兎姫、白狼天狗、櫻崎たちが総出で麻薬取り締まりをやっていた。
なんでも最新兵器を持ち出すらしい。河童の技術を使って麻薬検査をするのであろうか。
一体誰がやってくるのか、やってきたのは何故か放蕩妖怪だった。


放蕩妖怪の話は聞いたことがある。一般に「サトリ」と呼ばれる人種は人の心を読むことができるが
その際、薬物汚染された人間の心を読むのはとても危険だという。
一説には放蕩妖怪は薬物中毒の思考を読んでしまったため、前頭葉の情報を読むところから
大脳辺縁系の情報を読む方向への切り替えをしたと言われる。


放蕩妖怪と白狼天狗がタッグを組めば麻薬の運び屋を探すのは至極容易らしい。
驚いたのだが、放蕩妖怪は普段は深層心理を読み込むことができるが、その気になれば普通に
心を読むことも出来るらしい。 所謂上位互換システムのようなものだ。


さらに疑いがある奴は、小兎姫が捉えて放蕩妖怪が尋問する。
私はただ見ているだけだが、何故か尋問されている奴が妙に幸せそうな表情をしているのが印象的だ。
朝倉から警告が来ている。どうやら放蕩妖怪が精神侵入を果たすときにまるで自白剤を注射された
状態になるという。 それって麻薬と同じ効果ではないかと言ったら脳内麻薬を分泌させながら
侵入を誤魔化すのだと言われた。 色々洒落になってない。


この日も人間が一人捕まっていた。
妖怪を手込めにするための薬と言っていた。 この人はきっと幻覚キノコを用いる魔法使いのために
解毒魔法も一緒に普及していることを知らないのだろう。 
現実を教えるべきかと思ったが、小兎姫に止められた。 こちらの手の内を説明するのは良くないと
言ったところだろう。 とりあえず地霊殿の主人はなんとかなるだろうが放蕩妖怪には変に
抵抗しない方が身のためだと言うことはわかった。