八雲商事の現地職員で、たまに見かける銀白の服装をした橙や中間管理職狐を
見かける場合がある。
彼女達は幻想郷管制のために作られた専門のエリート式神達である。
どちらかというと戦闘能力も付加された汎用性重視の橙や中間管理職狐と違い
事務作業や結界突破などに特化した式神である。
彼女達の管制室は迷い家の如く常に移動しているという。
現地を特定されて襲撃されたらたまったものではないからだ。
そんな迷い家を今回初めて見ることができた。
全くの偶然である。
真っ白い空間に管制用の映像だけが浮かんで居る。 宙に浮かんだ
中間管理職狐を取り囲むようにエリート橙が事務作業をしている。
身振り手振りで操作するインターフェースを採用しているようで
列車運行ダイヤもここで管理されているようだ。
この姿はまるで曼荼羅だ。見ていてとても格好良く機能美に満ちあふれている。
ほんの少しの間しか見ることはできなかったが
月都ととのアクセスにより大幅な改良がなされていたらしい。
中間管理職狐の気紛れに付き合わないといけなかった昔と比較して
隔世の感すらある。
白銀の衣服を着た橙や中間か離職狐は隙間妖怪によるハンドメイドで制作されており
八雲商事で開発されているデッドコピーとは訳が違う。
デッドコピーでは主人に楯突く者もいたが、これは憑依している猫妖怪の質に
問題が有るらしい。
八雲商事で利用されるのはおおかたヴィヴィットの量産型である
ルーコト級である。これはコスト的要因がとても高いらしい。
朝倉の話ではこうした機能特化型式神というのは少なからずいて
幻想郷の下支えをしているのだという。
隙間妖怪一人では幻想郷を維持できないためこうしたやり方で
頭数を稼いでいるのだと考えると成る程と納得するしかないのである。