□月 ●日  No1519 猛犬注意


里のど真ん中で魂魄妖夢の姿を見つける。
色々買い物をしているようで重そうにしているので手伝おうと思ったら、
あり得ないほど重かったため断念。前に冴月の荷物を持とうとして失敗しただけに
今回も酷い展開になってしまった。


魂魄妖夢と言えば、白玉楼の御庭番である。白玉楼で発見する御庭番ははっきり言って危険極まりない存在であり
まるで番犬とかその辺の類である。 猛犬注意の看板でも付けた方がいいくらいである。
しかし、ひとたび白玉楼を離れると意外としおらしいというか、普通の子に見えるのだから不思議な物だ。


しかし彼女の世間知らず振りはただ事ではない。
世間知らずと言っても既に論外レベルに突入を果たした博麗の巫女とか霧雨のご息女は抜いておいて
その行動様式はあまりにヘタレである。 救いはいざとなったら自分で自分の身を守れることにつきるだろう。
魂魄はゆえに危険であると言っていたが成る程確かにその通りだと思う。


さて、妖夢が持っている重量物。中を教えて貰ったらなんと袋一杯の貨幣だった。
道理で重いわけだ。買った物は直ぐに持ち運べる物以外配達に回しているらしい。
そういえば彼女が背中に風呂敷に包まれた大きな荷物を持っているところを見たことがない。
もっとも、妖怪の多くはそんな風に煽られやすい大量の荷物持ちはまずやらないのであるが。


紙幣や証券を何故使わないかと尋ねると、どうもこれは白玉楼の主人の方針なのだという。
変なところで子供扱いしているのかなと思ったが、これなら盗まれてもあまりの重さで
飛行速度もおぼつかなくなることから実は合理的なのではと考えてしまう。


それにしても彼女の買い物が結構面白い。別の店で同じ物を少しづつ買っている。
最終的な物量はかなりのものになるのだが、必ず売り切れにならない程度に買っているのが
面白いと思うところだ。 買い占めを繰り返せば食料価格は上がるし、周辺住民にも
迷惑だと言うことを考えると、彼女なりの配慮なのかもしれない。


なんだ、それなりにまともな子じゃないか。