□月 ●日  No1538 命短し・・・


久々に動揺している明羅女史を幻想郷で発見。
聞けば、阿礼乙女が血を吐いたとのこと。
本人はいつものことだし、あまり気にして貰っても困ると言っているが、初めて見れば誰だってびっくりする。
阿礼乙女は何度も転生をするうちにこの時期くらいにこうなるというタイムテーブルを作っているそうで
本人にとっては想定内らしい。


といっても周辺のスタッフは大騒ぎするのは当然。やれ精密検査とかやれ、診察だとか大騒ぎ。
そして今の幻想郷には昔の幻想郷にはいなかった奴がいる。
薬屋だ。彼女にかかれば寝たきりでもムキムキマッチョになって復帰することが出来る。
まさに取り返しがつかないほど元気になるのだ。


とりあえず、阿礼乙女に実験結果を見せる。
結果は「死んでも嫌」だった。 まあ、彼女は死んでも閻魔様の元で仕事をすればいいことなので
言い得て妙ではある。 確かに、無理に外見上ムキムキマッチョにならなくても運命に身を任せた方が
まだマシという物だろう。


その回答に薬屋は終始不機嫌だった。朝、低血圧の薬屋を無理矢理連れてきたこともあり、
さっさと処置して帰りたかったのだろう。
とりあえず阿礼乙女達が勝手に自己完結してしまったので、薬屋も派手な薬を処方することなく
診察が終わるはずだった。


異変は直後起こった。 阿礼乙女が必要以上に元気になったと報告を受けた。
まさか変な薬でも服用しているのかと思って、鑑識に調べさせたが。特別な薬というわけではない。
だが、幻想郷では殆ど流通してない薬だった。
つまり阿礼乙女が服用したことのない薬を試したのである。
結果少々効き過ぎたのだろう。 
幻想郷の住民は化学薬品にあまり耐性が無いことが知られている。
そのため頭痛鎮痛剤も効きすぎて体温が急低下なんてことも普通に起こりうるのである。


明羅女史は取り返しが付かないほど元気になるよりは幾分マシと言っていた。
個人的には体調が良いと言って無理して余計に状況が悪くなることだけは避けて欲しいと
思うところである。