□月 ●日  No1543 順応するしかありません


幻想郷の文化は基本的に我々の国をベースにした文化圏を形成しているのだが
ここにやってくる妖怪はどうしても海外からもやってくる絡みで色々と問題も発生する。
今回はそんな文化ギャップの話。


幻想郷に居るととても感じるのが我々の国にいる妖怪が多いという事実である。
答えは幾つかある。同じ妖怪を観測したときにその文化圏により解釈する姿が違うというのが一つ。
海外の方が迷信や幻想が残っていて何だかんだ言って土着の妖怪が幻想郷に居るよりも
顕界にいた方が居心地がよいケース。一度幻想郷に行ったものの生活に対応しきれずに
出戻りになった者などもいる。


出戻りになった妖怪に話を聞いたら朝食が違うと言われた。
今日の妖怪は昔と違って食事を人間のものに変えている者が少なくない。
すると人間でもそうだが妖怪も味に慣れてしまうのだ。
幻想郷ではほぼ薄味を強要されるので、とてもではないが食べられないという
妖怪が多発するのである。


困ったことに、こういう妖怪は人間すら食べられない。
妖怪にもマヨラーがいるようで、何かしらかけないと満足に飯が食えないって
妖怪もいるのだからたまらない。


こうしてみてみると紅魔館の主人がいかに特殊かがよくわかる。
朝倉に言わせれば、彼女達は食材ごと移転という離れ業で対応したのだという。
そう、紅魔館ごと幻想郷に行ったのは有る程度幻想郷をリサーチしたからだというのである。
ちなみに妖怪単体で幻想郷にやってきた妖怪に多々良小傘がいるが
こちらは食べ物がなくて何時も苦戦していたりする。
相手をびっくりさせれば良いので、他の妖怪よりハードルが低いと思っていたら
実は相手があまりびっくりしなかったというオチであった。


そんなわけで幻想郷に行きたい妖怪も行った妖怪もそれなりに
苦労しているんだよって話。
楽園にいるためには楽園の生活に順応しないといけないのだ。
実は結構難儀な話なのである。